ダイバーシティマネジメント:トランスジェンダー

LGBTの象徴レインボー


ダイバーシティマネジメントのプレゼン課題についてのレポート①です。

トランスジェンダー教育でのダイバーシティマネジメント

設定:
カリフォルニア州の教科書にトランスジェンダーのアメリカ人の功績が載ることになった。
サンディエゴ高級住宅地の私立学校「オタイレイクアカデミー」では
トランスジェンダーの子どもをもつ親たちが子どもの安全を心配しており
学校長と会議を持つことになった。

ダイバーシティマネジメントのコンサルタントチームとして
学校長向けに以下についてプレゼンを行う。

1、オタイレイクアカデミーが直面するであろうダイバーシティマネジメントの問題点

2、トランスジェンダーの子どもの安全を願う保護者の不安を最小限に抑える方法

3、オタイレイクアカデミーでの新しい教科書の導入戦略

詳細・原文(英語)は前回のブログ参照


この課題は2チームが発表。

Bチームの発表は素晴らしかった。

プレゼン資料(原本・英語)
Executive Summary(原本・英語)

以下、内容をまとめます

1、オタイレイクアカデミーが直面するであろうダイバーシティマネジメントの問題点

・ 学校の指導内容の変更に対する抵抗
・ この分野のカウンセリングのトレーニングや新規採用
・ LGBTについての知識不足
・ 宗教色の強い家庭の親による抵抗
・ 学校でのいじめや嫌がらせ
・ 家庭の状況を他の学生に知られることに対する抵抗

2、トランスジェンダーの子どもの安全を願う保護者の不安を最小限に抑える方法

・ 性的志向を理由にしたいじめを厳しく禁止するスクールポリシー(校則)を整え
   公表し、いじめ報告や問題解決への明確で効果的なシステム作り

・ 学校職員や保護者にトランスジェンダー問題と解決方法へのトレーニングを行う

・ LGBTの前向きな歴史・功績を紹介するカリキュラムを組む

・ LGBT関連のクラブGay-Straight Alliancesへのサポートを行う

・ LGBTの学生が相談に行ける専門の教師を指定する

・ 図書館やオンラインで年齢に応じたLGBT関連の書籍・資料を増やす

・ LGBTの学生や保護者のプライバシーを保護する

・ PTAにLGBTの学生を招いて、保護者の意識を高める

3、オタイレイクアカデミーでの新しい教科書の導入戦略

・ 行政やメディア、弁護士などと法的義務について確認する

・ LGBT関連に特化したプロとの連携を図る

・ 導入時にはPTAなどを招待する

・ LGBTの教師がいれば貢献してもらう

・ 変化に対応するのが難しい学生・教師・親へのカウンセリングを行う

・ 文化的・職業的に活躍しているLGBTの人を紹介する



うちのグループは

・ 授業の前に保護者向けのワークショップを開催して
   授業でカバーされる内容を説明、まずは親を教育して
      家で子どもと話し合う機会を持つよう促す

・ カリフォルニアは先鋭的というイメージで売ってるが
      ニュージャージーやミネソタのほうが先に
   トランスジェンダーを教科書に導入しており、実は遅れをとっている。

・ 89%のトランスジェンダーの学生は安全だと感じていない

・ トイレをUnisex(男女に分けずに個室にして男女兼用)にするなど
      Transgender-friendlyな施設作り

について発表しました。


その他興味深かった点としては
どこに行ってもいじめをする人はいる、という認識だったことと
だからといっていじめられる人が悪いという発言は出てこなかったこと。


今回各チームのプレゼンを聞いて
今後参考になりそうなアメリカ的課題解決アプローチをまとめると・・・

・ 課題のみに回答するのではなく、追加データや偉人の名言を引用して説得力を出す
・ 課題に対する対策も具体的、予算などに縛られない
・ チームメンバーの肩書き設定をしてリアルに

です。


日本でもいじめは絶対に許されないという意識付けが積極的になされるべきで
隠そうとしたり、存在しないものとしてうやむやにするのではなくて
具体的な案が講じられるとよいと思いました。


次回は小学校にイスラムの女子児童10人が転入時のダイバーシティマネジメント
についてまとめます。




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