肌感覚で述べる、世界から見た日本の現状と未来。

ものすごい壮大なタイトルになってしまったけども。

きっかけは、日本にいる親友が送ってくれたメール。

福原正大さんという人の講演を聞きにいったそうで
内容がとてもよかったらしく、興奮気味にレポートしてくれた。

講演の内容は世界経済やグローバル人材の育成、
人口知能の2045年問題などで、とても分かりやすかったらしい。

要するに、日本が今後世界経済で力を弱めていく中で
どうすべきか、というような講演内容だったみたい。

この福原さんという人、INSEADのMBA持ってて
世界の金融の最前線で働いてた人。だけど
強かった日本経済が落ちていく状況を身をもって感じてきて
今後ますます世界経済のなかで存在が小さくなっていく日本が生き残るには
グローバル人材を育成していくことが急務で
それを実現させるのは教育しかないと考えているそう。

それで教育分野の会社を立ち上げて
文科省などのワーキンググループなどにも入りながら
学校にはアドバイザーの形で深く関わっているそう。

で、講演のなかでも紹介されたOECDの世界経済の未来の動画がこれ。




アメリカのGDPは今23%、2030年には18%、2060年には17%まで落ちる。
中国は今17%、2030年には28%に到達して、2060年も同レベルをキープ。
インドは今7%、2030年には11%、2060年には18%に達する。
EUは今17%、2030年には12%、2060年には9%まで落ちる。
日本は今7%、2030年には4%、2060年には3%まで落ちる。

人1人あたりのGDPも発展途上国がアメリカに近づくのは明らか。

これを見て驚く日本人ってたくさんいるんだろうなって思う。

日本にいる限り周りには日本製のモノであふれているし
日本製はいいんだという常識がまかり通っているし
テレビで国際ニュースを見ても、日本中心のニュースばかりで
あたかも日本がアメリカと並ぶすごい国なんだと錯覚しがち。

日本経済の力が落ちているのは
福原さんはじめ、海外に出てる人ならイヤでも目の当たりにする厳しい現実。


ということで、わたしが仕事を通じての「肌感覚」を
書いてみようと思う。

わたしが住んでいるサンディエゴという土地は
もともとテレビ産業が盛んだった。

90年代は日系テレビメーカーが栄えていて
パナソニック、サンヨー、シャープ、東芝、日立、ソニーなどが拠点を構えて
国境の南のメキシコに工場を作って、テレビをバンバン売っていた。

この時点でアメリカブランドのテレビというのはなくなってる。

そして今。韓国系・台湾系・中国系が技術を上げてきて
壊れないテレビを安く作れるようになった。

とくに韓国系はマーケティングも上手だし、デザインもいい。
モデルチェンジも早い。

アメリカではサムソンもLGも日系とほぼ変わらないブランド力を持ってる。
日本にあるような抵抗感はまったくない。(これは自動車もほぼ同じ)

それで日系メーカーは競争に勝てなくて
ほとんど撤退してしまう始末。
早く撤退した会社ほど、今では元気がよかったりするほど。

今の日系メーカーのテレビにおけるビジネスモデルは
自社の名前を他国メーカーに使ってもらうブランドビジネス。

今世界に出回ってるテレビだってパソコンだって
結局は日本製ではなくて、そういう外国企業が作ってる。

わたしの友だちKくんはソニーの大ファンで
パソコンはバイオじゃないと、と言ってたけど
結局は日本製ではなくて、現実にはそういう外国企業(Foxconn)が作ってる。

この界隈の日系企業は生き残りをかけて
韓国・台湾・中国と技術に差が出る自動車産業で生き残りをかけるしかなくて
自動車系の仕事にシフトできたところは生き残って、そうじゃないところは撤退。

でもこれも時間の問題で、いつかは他の国に取って代わられるのは時間の問題。
米系テレビブランドが日系に置き換わったように。
世代交代は自然の流れ。

アメリカの場合は、そんなわけでテレビはダメになったけど
クリエイティブな面を活かして、ITが発達して
マイクロソフトとかアップルとか、アマゾンとかが生まれて
新しい産業のリーダーとして活躍してる。

アップル製品のコンセプトやデザインをアップルで作って
実際のものづくりは台湾系がやってる。

一方日本はIT系は弱い。
新たな産業を創造していかないといけないんだろうけど
インターネットの分野も弱いし、今後どうするんだろう・・・という感じ。

決して技術力が低いわけじゃない。
その技術力を世界が求める形に作りきれていないんだと思う。

これまでは1億人いた日本市場で頑張ればよかったけど
人口が減るのは確実だから、今後は海外市場で頑張るしかない。

で、これまでの海外市場での頑張り方が
「日本で売れたものを売る」「高品質を売る」ということだったんだけど
今後は現地のニーズに合ったものを、日本市場での成功とは切り離して
動いていかないといけない。

そんなときに問題になるのが
現地のニーズを汲み取れるほどに国際感覚があって
現地の人とやり取りできる極端に少ない、ということ。

プラス、現地の優秀な人間を管理するスキルを持つマネージャーも
極端に少ないということ。

これが本当の意味でもグローバル人材が必要な理由。
ただ英語ができればいい、というレベルの問題じゃない。

わたしがもし日本に戻ったらできるだろうな
やってみたいなと思うことの一つに
グローバル人材を意識した教育というのがある。

福原さんは中高生を対象にした
塾のようなカタチで運営しているけれど
わたしは大学生か社会人を相手にするのが好き。

今取り組んでいる留学事業の根底には
国際感覚を持った社会人が増えてほしいという側面もある。

自分の母校はそういう視野を持っている大学で
いつか一緒に何かできないか、とお互いに思っているんだけど。


次回は、2045年人口知能の問題とか、大学入試改革・教育の話を
書いてみようと思います。

あと、具体的に国際感覚ってどんなものなのか
アメリカ(韓国?)で働くために必要な力とは何かとか
難しいけどいつか書いてみようかな。

福原さんの著書も近々取り寄せて読んでみます。
何かヒントがもらえるかも。




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