今月選んだ10冊はこちら。
書籍紹介はTOPPOINTライブラリーより引用、→印がわたしの感想。
脱ガラパゴス戦略
日本企業はこれまで国内市場を重視し、日本人向けの商品作りに注力してきた。その結果、海外市場に疎くなり、国際競争力を失った。いわゆる「ガラパゴス化」が生じたわけだが、少子化で国内市場が縮小していく今後、このままでは企業は滅びかねない。そう危惧する2人の著者が、「脱ガラパゴス」のための方策を伝授。成長著しい新興国市場の攻略法を解説する。
→要するに日本市場で成功したものを流し売りするのではなく、マーケットニーズを意識した商品ライン開発と宣伝が必要ということ。
異業種競争戦略
今日、カメラ業界では、ソニーやパナソニックがシェア争いの上位に顔をのぞかせている。銀行業界でも、イオン銀行、セブン銀行など、他業種の企業の参入が進む。このように、業種の異なる企業が1つの市場を奪い合う戦いを、著者は「異業種格闘技」と命名。これから様々な業界に起こるであろう、この異業種格闘技を読み解くためのフレームワークを提示する。
企業と倒産の失敗学
成功の頂点に上りつめたベンチャー企業が、突如として倒産する…。本書では、様々な失敗事例から「失敗の本質」をまとめ上げた。そこから導けるのは、成功のカギは過去の失敗の学習にある、ということ。著者は言う──日本社会は、なぜ「せっかくの失敗を活かす」ことを許容できないのか。それらを社会全体で有効活用しないのは一大損失である、と。
→失敗の人的原因10:欲得、気分、うっかり、考え不足、決まり違反、惰性、格好、横着、思い入れ、自失。
30代未婚男
30歳を過ぎても結婚しない男たち。相手がいない、お金がない、自由な時間が大事…。彼らは結婚しないのか?できないのか?やがては「男性の3人に1人が一生独身」という時代がやってくる!?数多くのインタビュー、アンケート調査のデータをもとに、「男性の未婚化」現象を探ると、その背景や構造のみならず、いくつかの「罠」も見えてきた――。
→男性の未婚化の理由10:低所得と賃金格差、お見合いの消滅、低いコミュニケーション力、自己チュー的ライフデザイン、親離れの遅れ、過重労働と男性ばかりの職場環境、ロールモデルの不在、オタク化、希望年齢のミスマッチ、決断力の欠如
だれが「本」を殺すのか
毎日180点もの新刊が並ぶのに、本が売れない。魅力ある書店はなくなり、読みたい本ほど手に入らない。そして相次ぐ出版社の倒産と書店の閉店――。こうした、「本」を取り巻く危機的状況を描いた、ノンフィクション作家・佐野眞一氏の渾身のルポルタージュ。書店、流通、版元、編集者等々への幅広い取材を基に、本をめぐる世界の危機が浮き彫りにされる。
→出版業界の実情が詳しく書かれていて面白い。オンライン書店については、他業種からの参入は店舗をもたないことから在庫の保管倉庫に巨額の設備投資が必要となり、将来は厳しい。
静かなるイノベーション
近年、活躍が目立つ社会起業家。その世界的なネットワーク「アショカ」では、世界80カ国以上で選出された約2800人の社会起業家を「アショカ・フェロー」に認定し、活動を支援している。本書は、この中から18名のフェローの活動を紹介する。社会を良くしようと様々な分野で活動する彼らは、いずれも情熱、人々を動かす力に富み、そしてアイデアが斬新だ!
→要約では3名のフェローの活動が紹介されている。ドイツの主婦が立ち上げた再生可能エネルギーを利用した電力会社、ブラジルのコミュニティ独自通貨を発行する「パルマス」銀行、ナイジェリアの簡易式公衆トイレビジネス「DMTモバイル・トイレット」。
鈴木敏文「逆転発想」の言葉95
巨大流通グループ、セブン&アイグループの総帥、鈴木敏文氏。氏は、「逆転発想」とでも呼ぶべき鋭い視点で、既成概念にとらわれない数々の施策を実施し、同グループを躍進させてきた。本書では、のべ約500時間に及ぶ氏への取材を重ねてきたジャーナリストが、氏の「思考の型」がうかがえる名言の数々を披露しつつ、鈴木流経営学の真髄を解き明かしていく。
→みんなが賛成することはたいてい失敗し、反対することはたいてい成功する、「顧客のために」ではなく「顧客の立場で」考えろ、「美味しいもの」とは「飽きるもの」でもある、人は「損と得」を同じ天秤にかけず、利益より損失のほうを大きく感じる、など。
福祉を変える経営
日本の障害者が共同作業所などで働いて得る月給はたった1万円。これでは自立など夢のまた夢だ。こんな現状が放置されているのは、日本が市場経済の国だという認識が福祉の現場にないからだ──。ヤマト運輸会長退任後、ヤマト福祉財団の職に専念する小倉昌男氏が、「経営」という視点から福祉を見つめ、障害がある人もない人も共に生きる未来への展望を開く。
→お金を稼ぐ仕組みをつくり、健常者と肩を並べて仕事をすることで自立できるだけの給料を得る仕組みを作る。パン屋事業の例を紹介。
その1人が30万人を動かす!
かつて絶大な影響力を発揮していたマス広告。今、その力に翳りが見えている。そして新たに台頭しているのが、“インフルエンサー”という存在だ。本書は、消費者の消費行動に多大な影響を与える、このインフルエンサーを活用したインフルエンサー・マーケティングを紹介するもの。この手法を使えば、たった1人の発言をもとに何十万もの人々を動かすことができる!
クリエイティブ資本論
「クリエイティブ・クラス」。今、この全く新しい知識労働者階級が社会の支配階層になりつつある――。こう指摘する著者が、人のクリエイティビティが自由に発揮されるよう経済・社会を再構築すれば、企業や都市はむろん地球全体の富も最大になることを、様々なデータを基に論じる。米国でベストセラーとなり、その後15カ国以上で翻訳された、新たな“資本論”。
→クリエイティブ・クラス=「個人志向」「実力主義」「多様性と開放性」重視、お金でなく「やりがい」が大切、「どこに住み、何をしているか」という「場所」が重要なアイデンティティ。「経済的な事情とライフスタイル」に重きをおき、「多様性」も場所を選択する要因。「場所」は3つのT(技術、才能、寛容性)が揃った場所でなければならない。
ラベル: 本・Audio Book