ガラケーの終焉と日本の多様性

このニュース、見ましたか?

従来型携帯の生産終了 国内各社、17年以降
NECは端末完全撤退
日本経済新聞

お疲れさま。ガラケー完全終了へ
Gizmodo.jp

従来型携帯とはいわゆる「ガラパゴス携帯」のこと。
一つの時代が終わったような、衝撃を受けたニュースでした。

スマートフォン(スマホ)の普及が進み、ほぼ日本だけで通用する従来型携帯は開発が重荷になっていた。コスト削減のため、開発する全端末のOSをスマホの標準である米グーグルのアンドロイドに統一する。
今回、メーカーは独自OSの携帯機種の生産を中止する。ただ、折り畳み式やボタンが付いている形状は中高年を中心に根強い人気があるため、外見や操作性が従来風の端末の生産は続けるが、実態は従来型ではなくアンドロイド機種となる。NTTドコモの「iモード」などのサービスは当面維持する。
NECは現在、ドコモに従来型機種を供給しているが、16年3月に新規の開発をやめ、17年3月には生産も終える。既にスマホ事業も13年に中止しており、すべての携帯電話端末事業から撤退する。 

このニュースですぐ顔が浮かんだのは、密かに尊敬し親しみを覚えているKさん。彼は日本のNECで携帯電話の開発に携わったのち、渡米。UCSDエクステンションでビジネスマネジメントを学んだ後、米系企業で働きはじめたところ。

さっそくKさんにこのニュースを伝えたところ

「とうとう終わりますかぁ~。あのOSもなくなってしまうんですね。品質はアンドロイドよりもはるかに高かったんですけどね。こいつらを開発してたころが懐かしい^^; しんどかったなぁ~。楽しかったような気もするけど。そして、NECの携帯事業に取り残されている(元)同僚達も、やっと解放されますな。」
日本のNECが開発してきたOSの品質は、生き残ったアンドロイドよりもはるかに高かったのに、生き残れなかったということになる。

最近日本の家電製品が、高品質にもかかわらず他国の家電との勝負で負けている事実と重なる。
「品質が良いのと、製品として魅力があるかは別だからね^^; 製品単体というよりは、サービス全体を用意していかないとなかなか儲からないんだろうね。アンドロイドとか、iOS、iTune、Windows。簡単に作れるものを日本で作っても人件費で勝てないし。 」

製品として魅力があるかどうか、確かに大事なポイントですね。日本ではガラケーの時代が続いたけど、他の市場では受け入れられなくて海外に出せなかったのも残念でしたよね。

日本人の人件費、付加価値つけても儲かるビジネス・・・今後の日本の課題ですね。

アメリカの場合には、作る側も、使う側もすでに多様性があるから、他のマーケットへ出しやすい気がするけど、日本の場合にはどちらも多様性がないから、他のマーケットへ出すときのハードルが高そう。 
日系企業が人件費を下げるために海外へのアウトソーシングする場合、コントロールが難しい。言語の壁も、習慣の壁も高そう。日本に多様性が加わっていくと変わっていくのかな。

日本に多様性が浸透していないことが仇となって、日本のビジネスに影響が出ている例がこれなのか、と愕然とした。ダイバーシティの問題、はっきり見えていないけど、確実に存在する!!


ちなみに、元同僚の方たちは大丈夫なんでしょうか?とも聞いてみた。

「儲からないビジネスは続けても従業員が不幸になるから、終わらせたほうが良い。よくここまで引っ張ったなぁ、という感じ^^; みんなNECの中で移動できるはずだから、たぶん大丈夫。」 
それは何よりですね(ホッ)。


まとめ
ガラケー終了のニュースは、日本の企業や消費者側でダイバーシティが広がらないことが、日本企業が海外で成功する障壁となった具体例。

①日本国内の企業側・消費者側に多様性がないことは、日本製品を海外に広げていく際の障壁となる。

日本企業は(多様性の少ない)国内で成功したものを海外に出そうとするけど、海外で受け入れられる確率は??

②日本企業がビジネスをする場合、人件費が高いのが障壁。人件費を下げるために海外にアウトソーシングする場合、言語の壁や習慣の壁が障壁になる。

日本企業にいろんな人が存在したら、障壁は下がる。


ラベル: , ,